HPAIR ~Harvard Project for Asian International Relations~


【HPAIRとは~世界最大規模の国際学生会議~】

 HPAIRとは、1992年に創立されたハーバード大学の学生団体であり、Bizjapanの提携団体の一つである。HPAIRは、設立後毎年にわたってアジアの各国主要都市で国際学生会議を開催している。そして、2014年は東京がその会場となり、8月22日~26日の5日間にわたって会議が催された。

 このHPAIR東京会議には、総勢約550名の大学生・大学院生が参加者として出席し、また世界各国の著名な起業家・社長・学者・政治家ら約120名がスピーカーとして登壇した。参加者はプレナリー(総会)・パネル(討論会)・セミナー(講演会〕といった各セッションで、国際問題について考え、議論することに加え、フィールドトリップやインターナショナルナイトといった企画を通して、日本の技術・文化について学んだ。

 未来のグローバルリーダーが集うHPAIR会議は、「グローバル」と「アントレプレナーシップ」を活動の柱に掲げるBizjapanとも近しい関係にある。東京会議は慶應義塾大学の後援のもと開催されたこともあり、開催地東京の運営委員会HCOC(Host Country Organizing Committee)はバイリンガルの慶應生が中心となって組織された。会議の準備・運営は、このHCOCと、ハーバード大学の運営委員会HOC(HPAIR Organizing Committee)の協力のもと進められた。

 Bizjapanからは、過去のHPAIR会議参加者を中心に7名が運営に参画したほか、1名が参加者として会議に出席した。

【Day0 ミートアップ】

 8月21日、会議に先立って、一足先に東京へ降り立った参加者らがいた。彼らはHPAIR ambassadors(大使)と呼ばれ、参加者のなかでも率先してHPAIRの広報を担当する情熱にあふれた学生たちである。Bizjapanは、東京大学駒場キャンパスで彼らとミートアップ(会合)を行った。会合ではBizjapanの団体紹介のプレゼンテーションののち、日本のポップカルチャーについてひとしきり議論を交わした。ambassadorsはみな、討論の中で真剣かつ鋭い指摘を連発しており、Bizjapanのメンバーも同世代の優秀な学生を目の当たりにして、大いに刺激をうけた一日となった。

【Day1 開会式】

 1日目、会場のパレスホテル東京が参加者の熱気につつまれるなか、開会式が執り行われた。オーストラリア元首相のケビン・ラッド氏、前駐米大使藤崎一郎氏のスピーチでは、これからのアジアとグローバルリーダーに何が求められるのかが語られた。参加者は開会式ののちもスピーカーの周囲に集まって意見を交わしており、初日から積極的に交流活動を行っていた。

【Day2 会議】

 2日目、会場は東京国際フォーラムに移り、HPAIRの中心をなすともいえる、プレナリー・パネル・セミナーの各セッションが開かれた。プレナリーでは、ビジネスをテーマに、アジア企業の成長についての議論が展開された。パネルおよびセミナーは、公共政策・医療・外交・金融・経済・テクノロジー・アントレプレナーシップといったテーマに分かれており、参加者はあらかじめ決めていた興味のあるテーマの会議に参加した。

【Day3 インターナショナルナイト】

 3日目、慶應義塾大学日吉キャンパスの校舎を会場として、2日目と同様にパネル・セミナーが開かれた。この日の目玉企画は、ディナーののちに行われたインターナショナルナイトである。各教室には各国の食文化を体験できるブースを設置。民族衣装に身をまとった参加者たちは、異国の文化に驚き、興奮しながら、一方で熱心に自国の食べ物をすすめていた。また、ステージでは各国のパフォーマーが歌や踊りで観衆の参加者を魅了。和太鼓・筝・舞踊などの伝統的日本芸能ももちろんその例外ではなく、会場は熱狂の渦に巻き込まれた。

【Day4 フィールドトリップ】

 4日目、日本のオフィスを訪問するフィールドトリップが行われた。訪問先は厚生労働省・楽天株式会社・JAXA宇宙航空研究開発機構などである。各訪問先では、官僚または社員の方のお話をうかがい、また一部では開発システムの体験活動も行った。このフィールドトリップを通して、参加者は更にお互いの仲を深めたようであった。

【Day5 閉会式】

 5日目は、東京国際フォーラムで2日目と同様に各セッションが開かれたのち、閉会式がパレスホテル東京で行われた。楽天社長の三木谷浩史氏、農林水産大臣の林芳正氏、ハーバード大学名誉教授のエズラ・ヴォーゲル氏らがスピーチをされ、参加者らは短くも内容の濃い5日間を振り返った。

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【まとめ~グローバルとアントレプレナーシップの体現~】

 HPAIR東京会議は、Bizjapanにとってどのような意味があっただろうか。

 一つには、Bizjapanが日本の魅力を海外に伝えることができた点にあるだろう。「インターナショナルナイト」においては日本の文化、「フィールドトリップ」においては日本の技術をそれぞれアジアの学生に発信した。2020年には東京オリンピックが開催されることが決まっているが、それに先立って未来のグローバルリーダーたちに日本・東京の存在感を見せつけることができた。

 そしてまた一つには、この会議の運営に携わり、または参加した構成員が大きく成長することができた点も見逃せない。運営に携わったメンバーは、企画を立案すること、組織の中で協力することといったプロジェクトに欠かせない過程を体験・実践し、会議に参加したメンバーは、登壇者から主体的に学び、自身とは異なる考え方を持つ人々と触れるというかけがえのない経験をした。この会議を通して得たノウハウは現在進行形でBizjapanの更なる発展に役立てられている。

 まさに「グローバル」と「アントレプレナーシップ」という、Bizjapanが活動の二本柱とする概念を体現したようなイベント、それがHPAIR東京会議であったといえるだろう。